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Discounted Cash Flow法(DCF法)
●DCF法は、事業が生み出す将来の営業フリーキャッシュフロー(FCF)を資本コストで割引いて現在価値を計算することにより、価値を評価する方法です。事業価値を算出するエンティティ法と株主価値を直接算出するエクイティ法がありますが、一般的に使用するのは事業価値を算出するエンティティ法となりますので、ここではエンティティ法でのDCF法の説明をします。
●事業価値を以下の式で定義します。
事業価値=(今後n年間の税引後営業FCFの現在価値)+(n年後の事業価値の現在価値)
税引後営業FCF=営業利益×(1−t)+減価償却費−運転資本増加分*−設備投資
運転資本=営業流動資産−営業負債
●現在価値とは、将来発生するキャッシュ(又は価値)を適切な割引率で割り引くことにより、そのキャッシュ(又は価値)が現時点ではどのくらいの価値があるのかを表したものです。
今後n年間の税引後FCFの現在価値=ΣFCFn/(1+R)n (nは1〜nの値をとります)
n年後の事業価値の現在価値=(n年後の事業価値)/(1+R)n
FCFn : n年後の税引後営業FCF
R : 資本コスト
●n年後の事業価値は次の方法で求められます。
永続価値方式:n+1年目以降は一定の成長率でFCFが成長するとの仮定を置き、現在価値を算出(下式)。
n年後の事業価値=11年後のFCF/(Rs−Gs)
Gs : (n+1)年後以降の税引後営業FCFの成長率(安定成長を前提とした一定の数値)
Rs : (n+1)年後以降の資本コスト(安定成長期の一定の数値)
●資本コストは加重平均資本コスト(WACC)を使用します。WACCとは、資金の調達元である負債(借入)コストと自己資本コストをそれぞれの残高で加重平均したコストのことです。
WACC={D/(D+E)}×Rd×(1−t)+{E/(D+E)}×Re
D : 純有利子負債=有利子負債総額+割引手形−現預金
E : 自己資本時価
Rd : 負債コスト
Re : 自己資本コスト
t : 実効税率
●自己資本コストはCAPM(Capital Asset Pricing Model : 資本資産評価モデル)の法則により、以下の式で定義されます。
Re=Rf+βΣ(Rm−Rf)
Rf : リスク・フリー・レート(通常、10年国債の利回り)
Σ(Rm−Rf) : マーケット・リスク・プレミアム
β : ベータ値 : 自己資本リスクの指標で、事業リスクと資本構成リスクを反映します。
DCFの簡単な例(Excel形式)です。クリックしてご自由にお使いください。
ここでは3年間の事業計画を基に一般的なDCF法の計算を行っています。
注) ABDが実際に行う場合のものとは異なり、かなり簡素化されたものです。